2016年11月17日

トランスミッション

自動車のトランスミッション(変速機)は、マニュアルトランスミッション(MT)とオートマティックトランスミッション(AT)に大別されます。現在、主流になっているオートマティックトランスミッションには、トルコンステップAT、CVT、DCT、AMTの4種類があります。

MT(マニュアルトランスミッション)

手動変速機のことで、クラッチ(動力伝達断続装置)操作をして手動で最適なギヤを選択して変速を行います。

マニュアルトランスミッション.gif

変速機は、平行2軸式という構造のものが一般的で、2本のシャフトに備えられた歯車の組み合わせを変えて変速を行います。4速MT、5速MTなどクルマの用途に合わせたギヤ数が設定されていますが、最近では6速MTのミッションを積むスポーツタイプのクルマも増えてきました。ギヤチェンジにひと手間かかりますが、運転の楽しみを味わえるのは魅力です。また燃費が良いのが特徴です。

AT(オートマティックトランスミッション)

自動変速機のことで、クラッチ操作の必要がなく自動的に変速が行われます。操作が簡単なので年齢・性別を問わず多くのユーザーの支持を得て、現在、すっかり主流となりました。トルコンステップAT、CVT、DCT、AMTの4種類があります。

@トルコンステップAT

トルクコンバーターと補助変速機(プラネタリーギア:遊星歯車)を使った方式で、通称トルコンと呼ばれます。

オートマチックミッション1.jpg オートマチックミッション2.jpg

トルクコンバーターとはエンジンの回転を駆動輪に伝える流体継手の一種で、マニュアルトランスミッションのクラッチに該当するものです。

補助変速機内部には回転を断続するクラッチや回転できないようにするブレーキが多数備えられていて、歯車を固定したり、回転を伝える経路を変えることで歯車の組み合わせをかえて変速を行います。
従来一般的だった3速AT、4速ATから5速AT、6速ATが増え、現在では7速AT、8速ATなど、変速段数を多くして効率よく加速したり、低燃費で走行できるよう、多段化が進められています。

トルクコンバーターを用いたAT車の特徴にクリープ現象があります。
クリープとは、アクセルペダルを踏むことなく、エンジンがアイドリングの状態で車両が動く現象のことです。
エンジンとギアボックスの間にあるオイルで満たされた向かい合う二枚の羽根が、エンジン側の羽根がオイルの剪断抵抗でトランスミッションにトルクを伝えることで発生します。
渋滞時や駐車時のスピード調整がし易い、坂道発進の時に車両が後退しない、といった利点がある一方で、ドライバーの意思に反して車が動き出すことから、衝突事故が発生しやすいという危険もあります 。

ACVT(Continuously Variable Transmission 無段変速機)

トルコンステップのプラネタリーギヤの代わりに金属ベルトと直径を変化させることができる2つのプーリー(滑車)の組合せにより駆動の伝達比を変える仕組みで、無段変速になるのが特徴です。シフトチェンジ時のショックもなく加速がスムーズです。現在、オートマティックトランスミッションの主流になっています。

Toyota_Super_CVT-i_01.jpg CVT1.gif CVT2.jpg

CVTで使われるプーリーは、ベルトのかかる溝がV字構造になっており、油圧(または、モーター)でV字の溝を狭めたり、広げたりすることで、ベルトのかかる位置が変わり有効径が変わります。

オイルを介して力を伝えるトルコンステップATと比べて伝達ロスの少ない金属ベルトを使うため燃費が改善するといわれています。

BAMT(Automatic Manual Transmission 自動制御式MT )

変速機の仕組みそのものはMTのままで、クラッチ操作とシフト操作を油圧または空気圧アクチュエーターを用いて自動化したものです。

スズキAGS(オートギアシフト).jpg

CDCT(Dual Clutch Transmission デュアルクラッチトランスミッション)

基本的な構造は従来のMTと同じですが、2台のMTを組み合わせたような構造になっているのが特徴です。

デュアルクラッチトランスミッション日産GR6型DCT.jpg

例えば6速のDCTなら、1、3、5速を担当する変速機構と、2、4、6速を担当する変速機構があり、それらを交互に繋ぎ変えながら変速します。通常のMTの場合、変速の際にクラッチが切られ、一瞬ですがエンジンの力が車輪に伝わらないこと(トルク切れ)になります。しかしDCTなら一方の変速機構のクラッチを切りながら、もう一方の変速機構のクラッチをつないでおけるため、トルク切れがゼロに近くなり加速性能が高まります。もちろんクラッチ操作および変速操作はコンピュータ制御により自動的に行われます。

DCT.jpg

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